消えた5000円

問.

太郎くんはこの日自転車で美容院へ行き散髪する予定であった。しかし自宅の自転車置き場へ向かうとあるはずの自転車が見当たらなかった。頭が真っ白になり、その後盗難を疑ったが、2週間前駅の駐輪場にうっかり自転車を置き去りにしてしまったことに気づいた。あわてて駅の駐輪場に行き清算ボタンを押すと5000円と表示され、泣く泣く1000円札5枚を犠牲にした。太郎くんはこの後無事に美容院の予約時間に間に合ったが、はからずも散髪だけでなく散財もしてしまう結果となった。太郎くんがこの損失5000円を無きものにするための今月の行動として最も適切なものを次の①~④から選びなさい。(2018年 所沢体育大学)

 

①もし美容院にいかなければ気づくのが遅れ散髪代以上は駐輪代金に加算されていたものと考え、無料もしくは有償で髪を切れたと発想を転換する。

交通系ICカードオートチャージにしていることから、コンビニ・外食等を5000円分ICカードで支払い、財布の中の現金を維持する。

③太郎くんは毎朝自販機で缶コーヒーを買うが、差額が5000円になるまで格安なドラッグストアまたはネットで箱買いをする。

④欲しい本をぐっと我慢し、近くの図書館で探して借りる。代金の合計が5000円相当になるまでこれを継続する。

 

 

 

 

解答④

 

 

解説:

①確かにこのタイミングで気づけたことはラッキーであり、このようにポジティブに捉えられることができれば太郎くんの今後の人生は明るい。しかし実際には△5000円であるのには変わりないので不適切。

②確かにICカードはクレジットカードに比べ使った感覚が薄く、明細に支払項目が表示されない。そのため「なんでこんなに高いんだっけ?」と不思議に思うくらいでクレジットカードのように明細を見てあとから落ち込むことがない。気分的には紛れるが実際には△5000円であるのには変わりないので不適切。

③確かに缶コーヒー代が節約できているように思えるが、仮に冬の場合、毎朝湯煎しなければならず、太郎くんの家はプロパンガスのためガス代及び太郎くんの機会損失等考慮すると不適切。

 

④太郎くんは普段から積読が多く、無駄に本を購入していることがあるため節約効果が高い。(これは駐輪場に自転車を預けたことを失念している太郎くんの性格から読み取れる。)図書館でほしい本を借りることで返却期日までにしっかり本を読むようになり、むしろ読書の効果もあがるため④が正解。ただし、借りた本に感銘等受け、結局購入する可能性に注意が必要である。