ダウンタウンの再来
ジャルジャルがあまり好きじゃなかった。
10年くらい前ナイティナインの岡村にバスケットボールを当てたのがきっかけで炎上した事件があったが、そのイメージだったのかもしれない。(これは昨年くらいのネット記事によって、岡村氏との示し合わせの上だったことが明かされた)
2014年爆笑ヒットパレードのネタを見て衝撃が走った。ボケとツッコミが入れ替わるスタイル。こういうタイプの漫才はちぐはぐな印象になりがちだと思う。しかし独特な視点とテンポに笑わずにはいられなかった。僕の根拠なきマイナスイメージは完全にぶっ飛ばされた。それから4年間、YouTubeで彼らのネタを頻繁に見るようになった。ネタの更新頻度も高く、飽きなかった。いつしかファンになっていた。
ジャルジャルタワーと称してネタを毎日アップしているらしい。唯一無二の世界観は日々の繰り返しから成っていた。漫才が好きで、自分たちの才能を信じているからこそ為せるストイックさだろう。
2017年M-1グランプリ。福徳の「校内放送」に後藤がツッコむ。これを続けるだけのネタだった。それはだれも思い付かないような唯一無二のジャルジャルワールドだった。ファイナルには進めなかったが、「あほじゃわからん」「俺は一番すきだった」といった審査員のコメントは最高のものだった。
ラストイヤーの今年のM1。予選の芸風は2017と同じだった。去年の反省を活かてないともいえるが、それより独特の世界を完璧に見せつけた感がすごかった。僕は笑うというより感動して鳥肌が立っていた。スコアもついてきた。文句なしのファイナル進出だった。
予選の死闘にすべてを出し尽くしたジャルジャルは、続くファイナル、霜降り明星と和牛にウソのようにボロ負けした。
決して一番になれなくても、好きで得意なことを諦めずに続ければ唯一無二になれる。それを彼らは証明してくれた。